日立は、Intel K.K.および日本の研究機関であるAIST(産業技術総合研究所)と共同で、新しい研究プロジェクトを開始しました。このプロジェクトは日本政府の支援を受けており、研究室だけでなく実際の産業でも活用できるシリコンベースの量子コンピューティング技術の開発を目指しています。
日立は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が運営する政府プログラムのもとで、このプロジェクトを主導します。プロジェクトは2029年3月まで実施される予定です。研究チームは、大規模なシリコン量子コンピューターの製造、パッケージング、運用などの技術開発に取り組みます。
このプロジェクトは、6月に始まった日立とIntelの協力関係の一環です。AISTは企業と共同で研究を進めるほか、研究者向けに クラウドコンピューティング 環境を提供して支援します。
この取り組みは、日本が量子コンピューティング分野で競争力を高めるための計画の一部です。試作機を1台作るだけでなく、信頼性の高い量子チップを大量生産するために必要な技術や製造方法の確立を目指しています。
Coherent Market Insightsによると、半導体市場 は2026年から2033年にかけて年平均成長率(CAGR)8.8%で成長し、市場規模は2026年の6,373.5億米ドルから2033年には約1兆1,502.2億米ドルに達すると予測されています。市場では、小型化と高性能チップへの需要が高まっており、半導体材料や製造プロセスの技術革新がその成長を支えています。また、省エネルギーで高速なコンピューティングへの需要拡大により、高度な半導体設計への投資が進む一方、地政学的な要因を背景に、半導体生産の安定化を目的とした地域ごとのサプライチェーン多様化も進んでいます。
日立製作所 執行役常務 CTO 兼 研究開発グループ長 鮫島 茂俊氏は次のように述べています。
「AIの進化により、社会や産業を支えるコンピューティング需要は急速に拡大しています。一方で、データセンターなどのコンピューティング基盤における電力消費の増加や、創薬、材料開発、エネルギーシステム、物流、サプライチェーンの最適化など、従来のコンピューティングだけでは解決が難しい課題も増えています。日立は量子コンピューターを、計算能力の限界を超え、将来の社会インフラや産業システムを支える戦略的な技術と位置付けています。今回、NEDOプロジェクトに採択され、IntelおよびAISTとともに研究開発を開始できることを大変うれしく思います。世界中の産学官の知見を結集し、耐故障性量子コンピューティング(FTQC)の早期実現に貢献していきます。また、日本発の大規模量子コンピューターの実現、新たな市場の創出、エコシステムの構築を通じて、Lumadaを中心としたデジタル事業のさらなる成長を推進していきます。」
出典:
ニュース:Hitachi

