日本の電力・溶接機器メーカーであるDAIHENは、同社初となる金属3Dプリンター「ArcBuilder 3D」を発表し、受注を開始しました。この装置には、独自のAC Synchro-Feed溶接技術が採用されており、従来の溶接方法と比べて溶接スパッタを98%以上削減し、造形効率を24%向上させます。鋼、ステンレス鋼、アルミニウムの部品を造形できるほか、複雑な3D CADデータに対応するソフトウェアも搭載しています。最大造形サイズは1.5m×1.5m×1.5mです。
ArcBuilder 3Dの価格は46万米ドルで、DAIHENは2026年度に20台の販売を目標としています。また、兵庫県神戸市の工場では、この技術を活用した受託製造サービスも提供しています。同社は造船、エネルギー、建設機械、航空宇宙分野を主要なターゲットとしており、2030年度までに6,200万米ドルの売上を目指すとともに、日本のWAAM市場でハードウェア、保守、材料、受託製造サービスを含めて60~70%の市場シェア獲得を目標としています。
Coherent Market Insightsによると、3Dプリンティング市場 は2026年から2033年にかけて年平均成長率(CAGR)20.6%で成長し、2026年の276.8億米ドルから2033年には約1,027億米ドルに達すると予測されています。自動車、航空宇宙、医療、消費財、製造業などの企業では、より短い設計期間、コスト削減、生産の柔軟性向上を目的として積層造形技術の導入が進んでおり、市場拡大を後押ししています。
DAIHENは2020年からWAAM方式による金属3Dプリンティング技術の開発を開始し、2023年に事業計画を策定しました。2024年には大阪で開催された国際ウエルディングショーで試作機を公開し、2026年5月に正式発売しました。同社がWAAM市場へ参入した理由は、市場が年間約20%で成長していること、溶接機や産業用ロボット分野で高い実績を持つこと、そして既存の世界販売ネットワークを活用できることです。
当初は、新品部品の大量生産ではなく、補修用途や試作品の製造に重点を置く予定です。日本では新規部品の製造には認証が必要ですが、補修用途では必要な認証が比較的少ないためです。製品発売後は、日本国内の販売代理店を通じた問い合わせが増加しているほか、海外企業からも関心が寄せられています。また、防衛産業など一部の重要分野では、日本国内で設計・製造された装置への需要が高まっています。
出典:
ニュース:DAIHEN

