バンコク発—外国人観光が日本経済にとってますます重要になる中、タイ人観光客は他国と一線を画し、一般的な観光地にとどまらず、複数回日本を訪れています。
日本政府観光局(JNTO)によると、2019年には132万人のタイ人が日本を訪れ、2011年の約14万人と比べて約10倍に増加しました。
Coherent Market Insights によれば、文化観光市場は2025年から2032年の予測期間中に年平均成長率(CAGR)14.5%で拡大し、2025年には7,961.3百万米ドル、2032年には20,553.7百万米ドルに達すると予測されています。市場の拡大は、可処分所得の増加、購買力の高いミレニアル世代の増加、そしてグローバル化によって後押しされています。
COVID-19の影響で一時的に旅行者数は減少したものの、2023年には再び100万人を超えるタイ人旅行者が日本を訪れました。現在では、日本を訪れるタイ人観光客の数が、日本を訪れる日本人観光客の数を上回っています。
2月初旬には、バンコクのショッピングモールで開催された「ジャパンエキスポ」が約70万人の来場者を集めました。
会場では、日本の食品や商品、観光パンフレットの配布に加え、日本の音楽アーティストやアイドルグループのパフォーマンスも行われました。青森県を含む地方自治体や日本の観光団体もブースを出展しました。
青森県のブースでは、磯部健氏が対応しており、訪問者の一人には49歳の税理士、モンラパット・ナイヤナノンさんがいました。彼は、下北半島にあるジオパーク「仏ヶ浦(ほとけがうら)」の写真を携帯電話で見せてくれました。
「日本には4回行きました」とモンラパットさんは語りました。「昨年は青森のねぶた祭の展示がある建物に行きました。今年は祭りそのものを見て、写真の場所にも行ってみたいです」。
彼は、長野県の上高地、長野と富山の県境にある白馬岳、そしてタイ人に人気の佐賀県・祐徳稲荷神社など、日本各地で撮影した写真を見せてくれました。祐徳稲荷神社は、タイのテレビドラマや映画のロケ地として知られています。
「韓国や中国には一度ずつ行きましたが、自然と人が好きで日本が一番好きです」とモンラパットさんは話しました。
タイの旅行代理店では、様々な日本ツアーのパンフレットが配布されていました。
冬の北海道ツアーや、春の桜鑑賞ツアーが人気だと、ブースを担当していたデディさんは語ります。
「東京や富士山は定番ですが、渋谷や新宿、アウトレットモールでの買い物の時間も必要です」とデディさんは説明しました。
ジャパンエキスポの会場にはコスプレイヤーも多く見られました。
ビデオゲームのキャラクターに扮した3人の女性は、最近東京を訪れたそうです。
20歳の学生・アオムさんは、「浅草や東京ディズニーランドにも行きましたが、AKB劇場やアニメショップのある秋葉原が特に楽しかったです」と話しました。
JNTOバンコク事務所の中杉一氏によると、日本を訪れたタイ人旅行者のうち73%がリピーターで、47%は4回以上訪れているとのことです。
また、多くのタイ人観光客は旅行写真をSNSで共有するのが好きなため、他のタイ人があまり訪れていない場所に行きたがる傾向があるとも述べました。
さらに中杉氏は、日本食がタイで人気であることから、多くのタイ人が本場の味を求めて日本を訪れると説明しました。

