秋の訪れとともに、日本では古くからの月見の伝統「月見（つきみ）」の季節が再びやってきます。近年、この季節の風物詩は、丸い目玉焼きが秋の満月に見立てられた「月見バーガー」の復活を意味するようになりました。2025年もマクドナルドジャパンは、この伝統を受け継ぎ、「月見ファミリー」メニューを発表。定番の人気メニューに加え、秋の味覚を生かした新作も登場します。
メインの注目商品は、定番の「月見バーガー」（税込440円）です。象徴的な目玉焼きに加え、燻製ベーコンとトマトソースが特徴。今回、8年ぶりにソースのレシピが変更され、バターが加えられてより濃厚で贅沢な味わいとなりました。
チーズ好きには、チェダースライスが加わった「チーズ月見」（470円）も用意されています。しかし、2025年最大の注目作は新登場の「とろうますき焼き月見」（540円）です。「とろうま」とは「とろとろ」と「うまい」を組み合わせた造語。チーズ月見の進化版で、パティの下にすき焼き風の牛肉がたっぷり挟まれています。
さらにボリューム満点を求める方には、「トリプルビーフとろうますき焼き月見」（780円）があり、すき焼き牛肉と目玉焼きに加え、3枚のビーフパティが重ねられています。こちらは午後5時以降限定で、まさに“月”にぴったりの夜のご褒美メニューです。朝の月見派には、朝食メニューの「月見マフィン」（400円）も用意されています。
おかずだけでなく、デザートも月見にちなんだ甘味が登場します。「あんバターおもち月見パイ」（190円）は、月に住むウサギが餅を作るという日本の伝説をモチーフに、もちもちの餅とあんこ、塩味のバタークリームが詰まった一品です。
また、さっぱりした味わいの「月見 山梨シャインマスカット味マックシェイク」（190円）は、山梨県産の秋が旬の高級シャインマスカットを使用。月見との関連は詩的なものにとどまるようです。
最後に、期間限定でマックナゲットに添えられる新しいディップソース「瀬戸内レモンペッパー」も登場。月見には直接関係ありませんが、日本の瀬戸内海地域の柑橘を使ったさわやかな風味が、秋の季節メニューにアクセントを加えています。
この「月見ファミリー」メニューは全国の店舗で期間限定販売され、日本の長い歴史を持つ秋の月見を現代風にアレンジした味わいを楽しめます。
この季節限定の新作は、ファストフード業界の大きなトレンドをも反映しています。Coherent Market Insightsによると、世界のファストフード市場は2025年から2032年にかけて年平均成長率（CAGR）4.6％で拡大すると予測されています。2025年の市場規模は8160億ドルで、2032年には約1兆1179億2000万ドルに達すると見込まれています。可処分所得の増加や消費者のライフスタイルの変化がこの成長の大きな要因であり、マクドナルドのような大手チェーンは、文化的にも商業的にも訴求力のある革新的な期間限定メニューの開発を続けています。
