ミスタードーナツは、日本のカルチャー人気の流れを巧みに取り入れた新商品を発表し、再び話題を集めています。今回は、アイドルやアニメのキャラクター、パフォーマーへの熱烈な応援を意味するファン用語「推し(おし)」の文化をドーナツに落とし込んだ、新たなキャンペーンを展開しています。
新シリーズの名前は、「秋のいもくり推しド決戦」。英語で言えば「Autumn Sweet Potato Chestnut Oshi Donut War of Battle(秋のさつまいもvs栗の推しドーナツ戦)」といったところです。人気の秋フレーバーである「さつまいも」と「栗」がライバルとして登場し、どちらを“推す”かを消費者に問いかける内容になっています。アイドル文化のように、それぞれのチームカラーで応援するスタイルが採用されており、「さつまいも」はくすみピンク、「栗」はブラウンのカラーで表現されています。
さつまいもチームのドーナツは全3種類。すべての生地に1.3%のさつまいもパウダーが練り込まれており、しっとりとした生地と甘くなめらかなさつまいもクリームが、焼き芋のようなハチミツのような甘さを再現しています。中には、濃厚なさつまいもペーストがとろけ出すものや、香ばしくカリッとした皮のような食感を楽しめる一品も用意されています。
一方で、栗チームからは2種類のドーナツが登場。生地には0.1%の栗ペーストが使用され、見た目も栗の形に仕上げられています。一つは栗風味のホイップクリームが中に詰められ、表面はカリッとしたグレーズで仕上げられています。もう一つは、マロン風味のチョコレートでコーティングされ、ふわっと軽やかなホイップクリームがトッピングされています。
どちらも魅力的なラインナップで、どの「推し」にするか迷ってしまうこと間違いなし。この「秋の推しド決戦」シリーズは、8月27日から全国のミスタードーナツ店舗で販売開始となり、10月下旬までの期間限定で展開されます。ファンは、期間中にお気に入りの味を見つけて応援(=リピート購入)することができます。
この商品展開は、現在急成長を遂げているアーティザン(職人系)ベーカリー市場の流れにも乗っています。Coherent Market Insightsの調査によると、アーティザンベーカリー業界は2025年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)7.56%で拡大する見込みであり、市場規模は2025年に125.4億米ドル、2032年には208.9億米ドルに達すると予測されています。こうした成長の背景には、製パン技術の進化が大きく寄与しているとされています。
ミスタードーナツの革新的な「推し文化」へのアプローチは、ドーナツ好きはもちろん、アイドルファンにも楽しめる期間限定の魅力的な試みと言えるでしょう。

