「Summer Fall ユズバブルズ」は、カリフォルニアの陽気さと日本の伝統を融合させた個性派ドリンク。ちょっと変わったこの一杯が、日本酒の新しい形を提案します。
先日、近所のローソンで飲み物をチェックしていたところ、これまで見たことのない商品に出会いました。それが「Summer Fall スパークリング清酒」の缶バージョンです。
実はこの新しいドリンクは、ローソン限定商品で、7月8日から先行販売が始まっていました。当初は東京を中心とした関東エリアのみでの展開でしたが、現在では全国のローソン店舗でも順次取り扱いが始まっています。かわいらしい250ミリリットル(8.5オンス)の缶に詰められていますが、その中身は驚きに満ちています。
写真からも分かるように、この小さな缶が特別な理由のひとつは、商品に書かれた「Born in California, Crafted in Japan(カリフォルニア生まれ、日本仕立て)」というスローガンです。このブランドは2024年にカリフォルニアで生まれ、京都・伏見で1842年に創業した酒類メーカー「宝酒造」によって製造されています。人工香料ではなく国産のユズ果汁を使用していることも、この商品の大きな特徴です。
Summer Fallは、このお酒を「リキュール」と分類しています。というのも、精米していないカリフォルニア産の地元米にワイン酵母、そして焼酎などに使われる白麹を使って造られているからです。このように、伝統的な日本酒の枠を超えた新しい試みによって、日本とアメリカの文化が飲み物を通して融合されているのです。
実際に缶を開けてみると、まず感じられたのはユズの豊かな香り。人工的ではない、自然な柑橘の香りが部屋中に広がり、それだけでも印象的です。
グラスに注ぐと、しっかりとした炭酸が立ち上がり、やや白みがかった淡い色味はスポーツドリンクのようにも見えます。
一口飲んでみると、私たちがよく知る「日本酒らしさ」は感じられませんでした。味わいは非常にクリスプで、後味は爽やか。ただし、通常の日本酒にある甘みや米の香りはあまり感じられず、ユズの風味と炭酸の強さが前面に出ています。
個人的には、もう少しだけ日本酒らしいまろやかさや甘みが欲しかったとも思います。というのも、それらが欠けていることで、蒸留酒ベースの缶チューハイとあまり違いがないように感じられたからです。
とはいえ、味は確かに美味しく、特に暑くてジメジメした日にキンキンに冷やして飲めば、その爽快感は格別です。そして、この小さな缶にはなんと11%のアルコールが含まれており、飲みごたえもしっかりあります。
なお、350ml缶の「ストロング系」チューハイのアルコール度数が一般的に9%前後であることを考えると、この250mlの缶が持つ11%という度数はなかなかのインパクトです。ただし、常温になるとアルコールの風味が強く出てしまい、やや飲みにくくなるため、開ける前にしっかり冷やしておくことをおすすめします。
このユズ風味のSummer Fallは、すべての人の好みに合うとは限りませんが、少なくとも一度は試してみる価値のある一本です。特に、ローソンの駐車場で一泊するようなときには、手軽に手に入れやすい点も魅力的です。
なお、2025年から2032年にかけて、アルコール飲料市場は著しい成長が予測されており、CAGR(年平均成長率)も非常に高水準になると見込まれています。若年層および成人人口の増加が、今後の市場拡大の原動力となるでしょう。

