乳製品の新時代:日本で酵母由来のミルクが開発される

11 Jul, 2025 - by CMI

乳製品の新時代:日本で酵母由来のミルクが開発される

人類がいつから牛乳を飲み始めたのかは正確にはわかっていませんが、今日では牛乳は私たちの生活にしっかりと根付いた主食の一つとなっています。そのまま飲んだり、チーズやバター、ヨーグルトといった発酵乳製品に加工されたり、あるいはコーヒーや料理の材料としても広く使われています。

しかし、牛乳にはいくつかの課題もあります。多くの人が乳糖の消化に苦しんでいたり、アレルギーを持っていたりします。また、動物福祉の観点から牛の搾乳に反対する人々もいます。豆乳やアーモンドミルクなどの代替品は存在しますが、本物の牛乳の味にはなかなか近づけず、別の飲み物として位置づけられることが多いのが現状です。

そんな中、大手飲料メーカーのアサヒが新たに開発した「Like Milk(ライクミルク)」は、アレルゲンフリーでありながら、あらゆる食事制限に対応できる倫理的なミルク代替品として注目されています。このミルクは動物や植物ではなく、微生物(酵母)を活用して風味や栄養価を実現しており、従来の代替ミルクに比べてより本物に近い味わいが特徴です。

アサヒはビール醸造に用いられる酵母の研究を約1世紀にわたって続けており、その技術を応用することで、酵母に含まれるタンパク質やビタミン、その他の栄養素を保ちながら、牛乳特有のまろやかな甘みとクリーミーな食感を実現しました。その結果、「Like Milk」は牛乳や豆乳よりも食物繊維と亜鉛の含有量が高く、脂肪は牛乳よりも38%少ない上、28種類の主要なアレルゲンを一切含みません。

Coherent Market Insightsによると、酵母由来原料の市場は2025年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)9.1%で成長し、2025年には32.5億米ドル、2032年には59.9億米ドルに達すると予測されています。この市場成長は、消費者の健康意識の高まりが主な要因です。

なお、「Like Milk」には非常に多くの食物繊維が含まれているため、アサヒは「一度に1リットルも飲まないように」と注意を呼びかけています。飲みすぎると、トイレに長時間こもる羽目になるかもしれません。また、独自製法により少し茶色がかった色味をしており、未開封なら常温で約6ヶ月保存可能という点も、災害備蓄飲料としての利便性を高めています。

現在、「Like Milk」は試験的な少量生産段階にあり、市場に出回っている量はごくわずかです。最近、クラウドファンディングサイト「Makuake」で販売され、220万円(約1万5千ドル)分が売れたとのこと。また、東京で開催された「ヴィーガングルメ祭り」でも試飲が行われ、80%の来場者が「美味しい」と評価しました。

アサヒは今秋に1リットル(約34オンス)パックの限定販売を予定しており、来年初頭には本格的な量産を開始する方針です。また、同様のコンセプトを活用した「Like Egg(ライクエッグ)」の研究も進めているとのことです。

もしこの「Like Milk」を入手する機会があれば、それはとても幸運なことです。特に健康や倫理的な理由で牛乳を避けてきた人にとっては、画期的な選択肢となるでしょう。

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