ファンたちの「アンナミラーズ復活」の夢は、決して絵に描いた餅ではありませんでした。
2022年8月31日は、日本中のスイーツファンにとって苦い日でした。この日、1970年代から愛されてきたパイの老舗レストラン「アンナミラーズ」の高輪店が閉店。日本最後の店舗が幕を閉じた瞬間でした。
アンナミラーズはハワイ発祥のレストランチェーンですが、1973年に日本の菓子メーカー「井村屋」が国内に導入しました。最盛期には東京エリアに25店舗を展開し、中でも品川駅前の高輪店は地元のランドマーク的存在でした。しかし、高輪地区の再開発計画により、アンナミラーズを含む全テナントが退去を余儀なくされました。
その後アンナミラーズは、オンライン販売や期間限定のポップアップショップとしての活動に留まっていました。そんな中、井村屋が発表した「年内に東京で常設店を再オープンする」というニュースに、ファンたちは歓喜しました。
再出発の地として選ばれたのは、アンナミラーズ日本初出店の地でもある「東京・南青山」。1973年に第1号店が開かれた思い出の地に戻ってきます。
新店舗は、東京メトロ銀座線「外苑前駅」から徒歩1分の「セイザンIIビル」の1階と2階にオープン。店内には約30席のイートインスペースのほか、テイクアウト専用カウンターも設けられる予定です。
なお、世界的なベーカリー市場動向によると、焼き菓子用フィリング市場は2025年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)6.4%で成長し、2025年には約12億7,700万ドル(約1,920億円)、2032年には約19億7,100万ドル(約2,960億円)に拡大すると予測されています。急速な都市化と購買力の向上が背景にあるとされています。
アンナミラーズが人気を集めた理由は、パイやアメリカンスタイルの料理だけではありません。独特のジャンパースカート風制服も、日本のポップカルチャーにおいて非常に象徴的な存在です。井村屋の発表でも、この「伝説の制服」が復活することが明記されており、ファンの期待は高まるばかりです。
新しいアンナミラーズ南青山店は、2025年12月初旬にオープン予定です。

