住友金属鉱山、トヨタと提携し全固体バッテリー材料の大規模生産を開始

09 Oct, 2025 - by CMI

住友金属鉱山、トヨタと提携し全固体バッテリー材料の大規模生産を開始

住友金属鉱山株式会社(TSE: 5713)とトヨタ自動車株式会社(TSE: 7203)は、全固体バッテリーを搭載した電気自動車(BEV)向けの正極材料を共同で開発し、大量生産を行うためのパートナーシップを締結した。この協業を通じて、両社は次世代バッテリー技術の開発と商業化を加速させることを目指している。

全固体バッテリーは、正極、負極、固体電解質で構成される次世代のバッテリー技術であり、従来の液体電解質を使用するバッテリーに比べて、小型化、高出力化、長寿命化が可能とされている。BEVに搭載することで、航続距離の延長、充電時間の短縮、性能の向上などが期待される。トヨタは、2027年から2028年にかけて、全固体バッテリーを搭載したBEVの市場投入を計画している。

Coherent Market Insightsによると、電気自動車市場 は2025年から2032年まで年平均成長率(CAGR)7.6%で成長し、2025年の4,270億米ドルから2032年には約7,130億米ドルに達すると予測されている。この電気自動車市場のトレンドは、技術革新の進展、バッテリーコストの低下、政府の支援策、環境意識の高まりによって特徴づけられている。

2021年以来、両社は全固体バッテリーの正極材料に関する共同研究を進めており、充放電の繰り返しによる材料劣化といった課題に取り組んできた。住友金属鉱山の独自の粉末合成技術を活用することで、全固体バッテリーに適した高耐久性の正極材料を新たに開発した。

20年以上にわたり電気自動車向け正極材料を供給してきた住友金属鉱山は、この新材料の供給を開始し、大量生産へと移行する計画である。両社は今後も全固体バッテリーの性能、品質、安全性を向上させるとともに、生産コスト削減にも注力していく。両社の共通の目標は、BEVにおける全固体バッテリーの世界初の実用化を実現し、自動車業界を変革するとともに、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することである。

この協業は、日本が持続可能なモビリティへの世界的な移行を主導する上での重要な節目となる。トヨタの電気自動車製造における専門知識と、住友金属鉱山の先進材料技術を融合することで、このパートナーシップは日本のバッテリーサプライチェーンにおける競争力をさらに高める。さらに、ニッケルやコバルトなどの重要なバッテリー材料をリサイクルする資源効率化の取り組みを通じて、生産の現地化や環境負荷の低減も目指している。これらの取り組みは、国際的なサステナビリティ目標に沿ったものであり、両社の脱炭素社会への強いコミットメントを示している。

出典:

プレスリリース:トヨタ自動車株式会社

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