富士通は、Amazon Web Services Japan(AWSジャパン)との協力により、新しいビジネス創出ラボを開設したことを発表しました。このラボは、両社のグローバルパートナーシップの一環として設立されました。富士通の業界知識と技術を、AWSのAIおよびクラウドサービスと組み合わせ、日本の小売業およびサービス業の企業がより迅速に問題を解決できるよう支援します。このラボは、企業が旧システムの更新に追いつき、新たな収益源を創出するのをサポートします。また、主要業績評価指標(KPI)に焦点を当て、最短90日以内で実装可能な迅速なソリューションを提供することにより、企業の意思決定を支援します。
食料流通業界での成功を受けて、富士通はAWSのクラウドおよびAI技術を活用し、ラボの取り組みを日本の他の業界に拡大する予定です。目標は、企業が持続可能な成長を実現し、収益の新たな方法を創出することです。
新しいビジネス創出ラボでは、富士通の小売業およびサービス業の専門家がAWSジャパンのソリューション専門家と密に連携します。ラボの主な活動には次のものが含まれます:
- 問題の特定と解決策の明確化: チームは顧客の現場を訪れ、潜在的な問題を見つけ、最新のAWS技術を活用して解決策を設計します。
- 迅速なPoC(概念実証)とアジャイル開発: ラボは顧客がソリューションの作業モデルを迅速に作成し、PoCから本格的な実装までを90日以内で進められるようサポートします。
- 業界横断的なソリューション展開: 富士通の業界知識とAWSのクラウドサービスを組み合わせてソリューションを標準化します。これにより、旧システム(メインフレームやEDIなど)からAPI統合といった最新のソリューションへの段階的なアップグレードが可能となり、食品流通、小売、貿易、食品製造、その他のサービス業など多くの業界で問題解決を支援します。
この取り組みは、ビジネスプロセスマネジメント と密接に連携しており、業務運営の近代化と効率化を目指して、ワークフローの最適化、新しいシステムの統合、そしてビジネスの変革を加速することを目的としています。
Coherent Market Insightsによると、Next 次世代コンピューティング市場 は2025年から2032年までの間に年平均成長率(CAGR)20.1%で成長し、2025年には2024.7億ドル、2032年には約7301.5億ドルに達する見込みです。今日のデジタル時代において、膨大なデータをリアルタイムで処理する能力は非常に重要となっています。業界全体で、顧客取引、センサーデータ、モバイルユーザーなどのさまざまなソースから、日々膨大なデータが生成されています。
三菱食品株式会社の情報システム部門の杉本智彦部長は次のように述べています。「三菱食品では、当社の社内EDIプロジェクトにおける専門知識の移転という重要な課題に取り組んでおり、これをAI活用戦略の一環として進めています。今回、富士通とAWSジャパンの技術と専門知識を組み合わせることで、生成AIチャットボットを通じた知識標準化の非常に効果的な方法を実現しました。この取り組みにより、手作業の標準化と自動化がさらに加速され、システムのトラブル防止などのより高度な領域への展開が見込まれます。両社との強力なパートナーシップを引き続き維持し、新しい価値を共創していくことを楽しみにしています。」
AWSジャパンのエンタープライズビジネスユニットディレクター、塚田弘之氏は次のように述べています。「この『ビジネス創出ラボ』の設立により、富士通の豊富な業界知識と、AWSの最新技術、特に生成AIとの融合が、日本の小売業やサービス業だけでなく、全業界のイノベーションを加速し、促進することを確信しています。日本の顧客のビジネス変革を共に支援してきた歴史に基づき、今後も富士通との継続的なコラボレーションを通じて、日本全体のビジネス変革を加速していくことを楽しみにしています。」

