小野薬品工業と生化学工業、変形性関節症治療薬「ジェルワン」の日本における共同開発・販売で提携

29 Apr, 2025 - by CMI

小野薬品工業と生化学工業、変形性関節症治療薬「ジェルワン」の日本における共同開発・販売で提携

2025年4月25日 – 大阪:小野薬品工業株式会社は、生化学工業株式会社と、変形性関節症治療薬「ジェルワン」の日本における共同開発・販売に関する契約を締結しました。生化学工業が日本で開発を進めるジェルワンは、関節痛を軽減し、関節機能を改善することで変形性関節症を治療することを目的とした粘性補充療法(ビスコサプリメント)です。

小野薬品工業と生化学工業は、この提携を通じてジェルワンの日本における上市を目指します。これにより、日本の変形性関節症患者さんの治療選択肢が拡がります。この提携により、生化学工業のヒアルロン酸をベースとした治療薬開発における専門知識と、小野薬品工業の革新的な治療薬の商業化における経験を融合させることができます。

現在、国内では、変形性膝関節症を対象とした第III相臨床試験、変形性股関節症を対象とした第II相臨床試験、そして両関節を対象とした長期安全性試験の3つの臨床試験が進行中です。小野薬品工業と生化学工業は、これらの臨床試験の円滑な実施を通じ、本剤の早期製造販売承認取得に向け尽力しています。

ジェルワンは、生化学工業独自の架橋技術を用いて開発された架橋ヒアルロン酸を主成分とする関節内注射剤です。関節内に長時間滞留するため、1回の注射で持続的な鎮痛効果が得られます。

ジェルワンは、2012年以降、米国では「Gel-One®」、台湾とイタリアでは「HyLink®」の製品名で、変形性膝関節症の適応症で国際的に販売されています。海外では膝関節への使用に限定されていますが、生化学工業は日本でも、膝関節および股関節の変形性関節症を対象とした臨床試験を開始し、潜在的な患者基盤の拡大を目指しています。

日本をはじめとする国々で、変形性関節症の負担軽減にジェルワンのような治療薬が利用可能になることで、変形性関節症治療市場は拡大すると期待されています。Coherent Market Insights(CMI)によると、関節炎の有病率の上昇に伴い、この市場は今後数年間で急速な成長を遂げると予想されています。

ジェルワンは、変形性関節症による膝の痛みに対する安全かつ効果的な治療薬と考えられています。痛みを軽減すると同時に、潤滑性、クッション性、関節機能を改善する可能性を秘めています。日本をはじめとする国々で変形性関節症治療におけるジェルワンの使用が拡大すれば、業界の成長が促進されると考えられます。 CMIのシニアアナリストは、「小野薬品工業と生化学工業株式会社がジェルワンを日本で共同開発・販売するという戦略的提携は、変形性関節症治療分野における大きな前進です」と述べています。

ジェルワンが膝関節症と股関節症の両方の適応症で承認を取得し、適応拡大されれば、何百万人もの日本の患者にとって待望の長時間作用型鎮痛剤となる可能性があります。この動きは、ヒアルロン酸をベースとした治療法の導入を加速させると予想されます。また、高齢化と疾病負担の増加を背景に、今後堅調な成長が見込まれる日本の変形性関節症治療市場全体の活性化にもつながります。

他の製薬会社も、日本のような収益性の高い市場への参入を模索し、新たな機会を捉えようとしています。より有効性が高く副作用の少ない新しい変形性関節症治療薬の開発を目指し、研究開発費を徐々に増やしていく可能性があります。

出典:

企業:小野薬品工業株式会社

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