日本は自動販売機で有名な国です。「自販機大国」と呼んでも過言ではないでしょう。多くの国では、飲み物やスナックの販売にとどまっていますが、日本の自販機はかわいい雑貨や驚くようなアイテムまで取り揃えています。折り紙から「未来の配偶者」まで、風変わりで個性的な自動販売機が全国各地に存在しています。今回、東京で導入された新型の自販機は、そうした驚き要素を持たず、代わりに「スマートテクノロジー」と「健康的な食生活」という、日本が得意とする分野にフォーカスしています。
Coherent Market Insights社の調査によれば、ドレッシング酢および調味料業界は2019年から2027年にかけて年平均成長率（CAGR）3.5%で成長すると予測されています。今後も着実に市場は拡大する見込みです。
「サラダスタンド」は、街中に設置された自動販売機で、通行人が手軽にヘルシーなスナックやドリンクを購入できる仕組みです。この取り組みは、日本のウェルネス企業「Kompeito（コンペイトウ）」による新たなイニシアチブであり、「オフィスで野菜（Office De Yasai）」というサービスの一環として始まりました。このサービスは10年以上前にスタートし、オフィスワーカーが職場で健康的でバランスの取れた食事を摂取できるようにすることを目的としています。Kompeitoは、「野菜を食べない理由は手間がかかるから」と考え、より手軽な選択肢を提供してきました。そして現在、オフィスの枠を超え、一般市民向けにもサービスを拡大しています。
販売されているサラダには、グリルチキンのコブサラダ、カニカマとしらすのサラダ、スモークサーモンとチーズの贅沢サラダなどがあります。
外出先でサラダを食べられるのは嬉しいことですが、それ自体は新しい発想ではありません。しかし、今回の自販機は普通ではありません。Kompeitoは、この自販機にAI技術を導入することを決定しました。内部に設置されたカメラは、通行量や商品の消費期限を監視し、それに応じて価格を自動で変動させます。つまり、昼に見たサラダが、夕方には値下げされているかもしれないのです。これにより、短い賞味期限のサラダを廃棄するという問題に終止符を打つことを目指しています。
食品ロスを減らすという目的は素晴らしいですが、果たして商品自体に購入価値はあるのでしょうか？それを見てみましょう。
看板商品は、サラダ、ジュース、そして「フルーツグラノーラ」です。機械の名前からもわかるように、サラダが主役です。新鮮な野菜を使用した8種類のサラダから選ぶことができ、肉、魚、果物、ナッツなどと組み合わされています。さらに、厳選されたドレッシングが添えられており、完璧な味わいに仕上げられています。
コールドプレスジュースは、ビタミン、ミネラル、酵素をできる限り損なわない製法で作られており、栄養価を高く保っています。250mlと400mlの2サイズがあり、それぞれのボトルには最大1.5kg（約3ポンド）分の新鮮な果物や野菜が詰め込まれています。時間がない朝の栄養補給にぴったりです。
また、野菜の皮や葉の廃棄に心を痛めたKompeitoは、栄養価の高いそれらの部分をカリッとした美味しいグラノーラに再利用しました。1袋には、30代～40代の男女が1日に必要とされる食物繊維量が含まれており、いつでもどこでも野菜を摂れるスナックになっています。
では、この未来的なサラダ体験に参加したい場合、どこへ行けばいいのでしょうか？東京スカイツリーの足元にある「東京ソラマチ」ショッピングモールには、水族館「すみだ水族館」も併設されています。その東京ソラマチ西館2階のゾーン3に、サラダスタンド自販機が設置されています。ここで、お得なサラダ商品に出会えるかもしれません。ただし、24時間営業ではなく、モールの営業時間（午前10時〜午後9時）に準じて稼働しているため、深夜には利用できません。
また、京都市営地下鉄東西線「京都市役所前駅」にも1台設置されています。
健康的なスナックを探している方も、日本の自販機文化の進化に興味がある方も、この自販機は一見の価値があります。東京まで行けない場合でも、もしかすると、自分のランチの取り方を見直し、食品ロスを最小限に抑えるきっかけになるかもしれません。
