誰しもが一度は、オフィスで疲れ果てて「ほんの少しだけでも仮眠できたらなぁ…」と思ったことがあるでしょう。でも、休憩室のソファに横になったら、職場の風水(ふうすい)が台無しになるかもしれないし、横になった後に立ち上がるときのあの辛さを考えたら、結局仮眠の効果も台無しになってしまいがちです。
でも、もうそんな心配は必要ありません。…いや、心配することが一つだけあります。それは、「Giraffenap(ジラフナップ)」を職場に導入するよう上司を説得することです。
このGiraffenapは、眠気を感じた社員が立ったまま仮眠できる特殊なカプセルで、7月8日から販売が開始されました。
研究によると、「直立した状態での睡眠」でも、通常の仮眠と同じような健康効果を得られることが分かっています。しかも、目覚めたときにぼーっとすることも少ないそうです。ただし、普通は立ったまま眠るのは非常に難しい…。
そこに着目したのが、このGiraffenapの発明者です。
通勤ラッシュの電車内で、つり革にしがみつきながら必死に立って眠る人々を見て、「もっと良い方法があるはずだ」と考えたのがきっかけだったそうです。
Giraffenapは、上半身、お尻、膝、足をしっかりと支えてくれる構造で、安心して立ったまま仮眠をとることができるサポート設計になっています。
このカプセルは、床面積が約1.2平方メートル(約16平方フィート)、高さは約2.5メートル(8フィート)。
デザインは2種類あり、モダンな印象の「Spacia(スペーシア)モデル」は、まるで銀河帝国のストームトルーパーが疲れ果てたときに使うカプセルのような雰囲気。
一方、「Forest(フォレスト)モデル」は、木材を基調とした落ち着いたデザインで、スパやクリニックなど静かな空間にもぴったりです。
内部のデザインは正直あまり関係ありません。正しく使えば、見るべきは自分のまぶたの裏だけですから。
「この箱、どこかで見たことあるな…」と思った方もいるかもしれません。それもそのはず、Giraffenapは過去にも販売されていました。実際、筆者も数年前に体験したことがあります。
しかし、大きな話題にはならず、今回改めてイトーキ株式会社が本格的に販売を仕掛けてきたのです。
最大のハードルは「価格」です。個人向けではなく、法人向けの製品で、正確な購入価格は公表されていませんが、5年リースで月額約61,000円(約415ドル)と言われており、一般的なベッドよりもかなり高額です。
それでもイトーキは、以前の販売が「時期尚早」だったと考え、今こそ企業のウェルネス施策の高まりに乗って再挑戦しているのです。
ですので、「キリンのように立って寝たい!」という方は、会社に導入をお願いし続けましょう。上司が根負けして導入するか、自分のためというよりあなたを黙らせるために買ってくれるかもしれません。
いずれにせよ、あなたの勝ちです。

