スズキ株式会社(Maruti Suzukiの親会社)は、自動車から一歩踏み出し、食品業界でも革命を起こそうとしています。同社は密かに日本の 加工食品 市場に参入し、レトルト形式のインド菜食カレーを発売、予想を超えるヒット商品となりました。
このプロジェクトは、2024年初めにインド人技術者向けの社員食堂メニューとして始まり、2025年6月に商業ラインとして正式にローンチされました。
商品ラインナップは「大根サンバル」「トマトレンズ豆カレー」「ひよこ豆マサラ」「ムングダル・グリーンカレー」の4種類。各パック¥918(約6 USドル)で販売され、パッケージには同社の象徴的な車両イラストが描かれ、自動車ブランドとしてのルーツと食品ビジネスとしての新たな挑戦を結びつけています。
商業販売開始からわずか4か月で10万パック以上を販売。これは商品の需要の強さを示すとともに、スズキが多角化へと舵を切った決断の裏付けともなりました。
同時に、市場調査によれば、プライベートラベル 既製加工食品市場 は2025年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)5.78%で拡大する見込みです。2025年時点の市場規模は4224.5億ドル、2032年には6260.4億ドル程度に達すると予測されており、ヘルシー志向・オーガニック志向の高まりがこの市場の主要トレンドとなっています。
この動きは、スズキが社員主導のイノベーション(インド人スタッフのために開発された食品)を起点に、消費財市場へ進出し、従来の自動車事業以外の収益源を確立しようとしていることを如実に示しています。
伝統産業のブランドがライフスタイル・食品セクターに大胆に進出する中、Carter & Co. のアナリストは、スズキのケースが典型的な成功例だと指摘しています。スズキがこの商品で差別化を図れている要因として、自動車ファンに刺さるパッケージデザインや、インドの本格レシピを日本人の味覚に合わせた味付けが挙げられます。
今後14種類の追加フレーバーも予定されており、スズキはこの事業を単なる社内実験ではなく、継続的な成長分野として捉えていることがうかがえます。植物由来・便利食の需要が高まる日本市場で、この動きは自動車市場が厳しい国内環境でも消費財成長を取り込む戦略と捉えることができます。
出典:ニュース — スズキ株式会社

