2025年4月8日 – 大阪大学発のスタートアップ企業であるクオリプス株式会社は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の心臓細胞シートの製造・販売の承認申請を行いました。これは再生医療の世界における重要な一歩であり、心臓病患者に新たな希望をもたらす可能性を秘めています。
クオリプスの申請は、iPS細胞を用いた再生医療製品の承認申請としては世界初となります。大阪大学の澤容基博士が率いるこのバイオテクノロジー企業は、火曜日に厚生労働省に対し、心筋細胞シートの製造販売承認申請を行いました。
この治療は、ドナー由来のiPS細胞から作製した心筋でできた薄いシートを心臓に移植するものです。これらのシートは、他家細胞由来の医薬品として機能するように設計されています。
クオリプス社の新しい治療法は、心臓移植以外に治療選択肢が限られている重症心不全患者向けに設計されています。クオリプス社の研究者たちは、この新しい治療法が、他の治療法が効果を発揮しない症例において、心機能の改善と回復促進に役立つと考えています。
同社関係者は声明の中で、「規制当局と緊密に連携し、審査プロセスに迅速に対応していきます」と述べています。さらに、「心筋細胞シートを新たな治療選択肢として迅速に患者に提供できるよう、できる限り早期の承認取得を目指しています」と付け加えました。
承認されれば、クオリプス社の新しい治療法が世界中の患者に効果的な治療選択肢を提供できる可能性があります。iPS細胞が実験室でのみ生存可能であるだけでなく、臨床的に安全かつ効果的であることを証明することになります。
この新しい治療法の承認は、再生医療産業の活性化にも重要な役割を果たすでしょう。 Coherent Market Insights(CMI)によると、世界の再生医療市場は2032年までに年平均成長率(CAGR)15.7%を記録し、総額3,476億3,000万米ドルに達すると予想されています。
「クオリプス社のような革新的な再生医療の開発と承認は、再生医療業界の拡大を促進する触媒となるでしょう。心血管疾患などの疾患に苦しむ患者に新たな希望の光をもたらす可能性があります」と、CMIのシニアアナリストは述べています。
クオリプス社の新しい治療法の承認は、日本をはじめとする国々における心臓病の負担軽減に貢献するでしょう。また、他の製薬会社やバイオテクノロジー企業が、高度な再生医療の開発に向けてiPS細胞の研究開発に投資するきっかけとなる可能性もあります。
他の企業も、様々な治療法におけるiPS細胞の実用化に向けて取り組むことが期待されます。これは、今後数年間で再生医療業界の成長をさらに促進するでしょう。
出典:
新聞:ジャパンタイムズ
日本放送協会:NHK

