非常にユニークな蕎麦(そば)を味わうには、ここは注目すべき場所の一つだ。
そばといえば通常は細くてつるつるした食感だが、時にはその型を破った変化球にも出会うことがある。そして今回、ある店舗では驚くほど幅広なそばが提供され、記者・中澤誠司を驚かせた。
その発見があったのは、東京に10店舗を展開する立ち食いそばチェーン「よしそば」。あまり知られていないが、実はこの店を運営しているのは、人気音楽スタジオ「ノア」だ。バンド活動をしている中澤にとって、これは店に足を運ぶ動機のひとつとなっている。
最近、渋谷店を訪れた際、中澤は券売機のメニューを見ていて、通常のボタンメニューではない、1列目の端に小さなカードがあるのに気づいた。それは通常メニューというより、「特別サービス」を示すような雰囲気だった。
さらに近づいてそのカードの内容を確認すると、3種類の麺が書かれていた ― 平そば、細うどん、そして謎めいた「極幅そば」。
業界分析によると、インスタント麺業界は2025年から2032年にかけて大きな成長率(CAGR)で拡大すると予想されている。市場全体が着実に成長する見込みだ。
よしそばの麺はもともと太くて田舎風だが、この「極幅そば」は幅がなんと1センチ(約0.4インチ)もあり、中澤にとっては衝撃的だった。この超極太麺は特定の店舗でしか味わえないため、彼は「ざるそば(490円)」で試し、「特盛(+100円)」も注文した。
カウンターに食券を置いてスタッフが取りに来たとき、中澤は「極幅そば」と口にした。するとスタッフはにこやかに「極幅ですね!」と復唱し、中澤はほっと一安心。これで、未知の一皿が無事提供されることになった。
厨房をのぞくと、大鍋で茹でられている極太麺が遠目にも通常のそばよりはるかに太く見えた。そして実際に提供された料理は、それ以上に衝撃的だった ― もはやそばとは思えないほどの姿だった。
最初は、重さで切れてしまうのではと心配したが、箸で持ち上げてみると、意外にもまとまりがあり、スルリと滑らかに持ち上がった。
しかし、ざるそばのようにつゆにくぐらせると、麺が重すぎて数本しか入らず、つけ汁が溢れそうになるほどだった。
食べてみると、弾力があり、よしそば特有のもちもち感が健在。そばの風味もしっかり感じられた。
香りについても、通常のよしそばと同じで、唯一の違いは「量」。そのため、噛みごたえがより際立ち、シンプルながらも非常に満腹感がある一品となっていた。
普段は伝統的な細そばを好む中澤だが、こういった変わり種も「自分の好みを再確認できる」機会として楽しんでいた。
この体験を通して、彼は「そばに何を求めているか」を明確に理解した。これほど幅広のそばは、確かにボリュームがあり満足感は高いが、彼にとっては繊細で細いそばの方が口当たりが好みだと気づかされた。
常識から外れた選択肢を試すことで、自分の本当の好みを再発見する ― そんな、目を開かされるような体験となった。実際、このそばの見た目自体が、彼の目を文字通り開かせたと言ってもいい。
チェーンの発表によると、「極幅そば」は4月12日より銀座、日本橋、渋谷、不動前、池尻大橋の5店舗で試験的に提供されており、月末までには全店舗へ拡大予定だという。
次に新しいそば体験を求めるなら、「よしそば」へ行ってみるのも一興だろう。あるいは、まるで紙のように折りたたんで食べる「うどん」のさらなる世界に足を踏み入れるのも一つの冒険かもしれない。

