日本の主要コンビニチェーンが必ず取り扱っている定番商品がいくつかあります。おにぎりはほぼ確実にあり、最近では肉まんも一年中手に入るようになっています。もし売り切れていなければ、メロンパンもほとんどの店舗で見つかるでしょう。
そして、もう一つの定番が「フライドチキン」です。かつては各コンビニが独自のチキンを販売していましたが、近年ではファミリーマートの大ヒット商品「ファミチキ」と同様のパン粉を使ったフライドフィレが主流となっています。
Coherent Market Insightsによると、家禽業界は2025年から2032年の予測期間中、年平均成長率(CAGR)3.5%で拡大すると見込まれています。市場規模は2025年に3,153.5億米ドルで、2032年には4,012.1億米ドルに達すると予測されています。この成長は、可処分所得の増加と、たんぱく質豊富な食生活への嗜好の変化が影響しています。
現在のフライドチキン界の王者はおそらく「ファミチキ」ですが、ローソンの「Lチキ」やセブンイレブンの「ななチキ」も負けていません。そして今回、ローソンが新たな一手として投入したのが、新商品「まんまるチキン」(税込248円/約1.67ドル)です。
「まんまる」という名前からは、ふっくらとした丸いチキンフィレが連想されます。記者のK.マサミさんは、発売日の7月29日、地元のローソンを訪れてこの新商品を試してみました。
しかし、思ったほど混雑しておらず、フライドチキンの陳列棚にも「まんまるチキン」の姿は見えませんでした。不審に思って店員さんに尋ねると、少し驚いた様子で「今日からですよね!今すぐ揚げましょうか?」との返答。
ちょうど客足の少ない時間帯だったため、人が増えるタイミングに揚げる予定だったのでしょう。特別に揚げてもらえたことで、マサミさんはその店舗への愛着がより強くなり、お礼の気持ちも込めて2つ購入しました。
公平な比較のため、彼女はファミリーマートで「ファミチキ」(240円/約1.62ドル)と、セブンイレブンで「ななチキ」(223円/約1.50ドル)も購入。
驚いたのは「まんまるチキン」のボリューム感。他と比べても明らかに大きく、中を切ってみると、肉が巻かれており、立体感を演出していることが分かりました。また、他のチキンより衣が10%ほど多めについています。
ローソンのこの工夫は、見た目だけでなく、味にも効果的でした。一口食べると肉汁があふれ、やさしい味付けと衣が肉の旨味を引き立てます。
次に食べたのはセブンイレブンの「ななチキ」。胡椒と塩がしっかり効いており、脂身が多め。元気がないときにぴったりな一品です。
そして定番の「ファミチキ」。驚きはありませんが、3つを食べ比べると、それぞれがただ「ファミチキのコピー」ではないことがよく分かります。各社が独自のスパイスと工夫を凝らし、それぞれのチキンに個性があるのです。
中でも「まんまるチキン」は、不思議と最も満足感がありながらも軽く食べられるという特徴がありました。どれも魅力的なので、最終的には自分の好みに合わせて選ぶのが一番でしょう。
ただ一つ共通して言えるのは、「どのチキンもビールやコーラと相性抜群!」ということ。
マサミさんの友人である記者は、勤務後に「コンビニのチキンとビール」が命の恩人だと言っていたそうですが、それはまさに正解。仕事終わりの疲れた夜、特に暑い夏の夜に、がっつりしたものが食べづらい時でも、「まんまるチキン」がまさに救世主になり得るのです。

