自然の猛威に、自然派アイスで立ち向かえ。
梅雨の真っ只中に突如として発生した熱波により、東京も例外なく猛暑に包まれている。そんな中、我らが佐藤記者は、不意に雲間から差し込む太陽の光を「春の陽気か」と勘違い。だが、それはご機嫌な春の太陽ではなく、不機嫌で猛々しい夏の太陽だったのだ。
まだ夏本番の装備を出していなかった佐藤記者は、灼熱の東京をふらふらと彷徨い、救いを求めてさまよっていた。
そして彼が辿り着いたのは赤坂見附。遠くに見えたのは、シンプルながらも夏の喜びを象徴するかのようなサインだった。
それは「Cremahop(クレマホップ)」というアイスクリームショップ。人工甘味料や着色料を使わず、有機黒糖など自然由来の素材だけで作られるナチュラルなアイスクリームを提供しているお店だ。
このチェーンの存在は知っていたものの、東京にできたばかりの店舗を目にするのは初めて。まさに「必要なときに現れたオアシス」だった。
看板にはその月のフレーバーが並び、ヴィーガン対応は「(V)」で明記。醤油バナナや桃、ジャスミンティーといった一風変わった組み合わせも目を引いた。
カウンターでは1〜4スクープが選べ、価格は430円(米ドルで約3ドル)から1,150円(約8ドル)まで。
佐藤記者が特に感動したのは、一般的なアイス店のように「味を列挙」するだけでなく、「試食できる」こと。これは非常に賢い方法で、好みの味を確実に選べるだけでなく、他のフレーバーへの興味をかき立て、再来訪の可能性も高めている。
悩みに悩んだ末、彼が選んだのは「ストロベリー・ド・レ」と「ピスタチオ」のダブル。ワッフルコーンは追加で60円だが、それ以上の価値があった。
クレマホップの店内に腰を下ろした瞬間、まるで外の暑さが存在しなかったかのような冷たくてクリーミーな楽園に包まれた。
「ストロベリー・ド・レ」は、2種類のいちごとバターをミルクと砂糖に絶妙に融合させた逸品。自然な甘酸っぱさとクリーミーさが完璧に調和し、ひと口ごとに豊かな風味が弾ける。
市場調査によれば、アーティザン(職人技)アイスクリーム業界は2025年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)4.8%で拡大する見込み。2025年の市場規模は684億ドルで、2032年にはおよそ949.8億ドルに達するとされている。質の高いデザートを求める消費者の需要が、この成長を後押ししている。
まだピスタチオにたどり着いていない段階で、すでに至福の境地に達していた佐藤記者。
このピスタチオアイスには、シチリア産のピスタチオペーストと砕いたナッツがたっぷり。元々ピスタチオ好きの彼も、これには「究極のピスタチオアイスだ」と舌を巻いた。
至福に満たされ、いざ夏の太陽と再戦……と思いきや、店を出た瞬間、またしても容赦ない日差しに迎えられる。
残念ながら、どんなアイスもこの太陽の猛威には太刀打ちできない。しかし彼はふと思う。もしこの日本の猛暑がなければ、Cremahopのアイスの喜びをこれほどまでに深く感じることはなかったのかもしれない――そう思うと、この暑さも、まんざら悪くはないのかもしれない。

